簡易宿泊所の許可

大まかな流れ

許可を得るまでの大まかな流れは、1.事前相談、2.関係機関への照会・相談3.申請手続き、4.建物の検査、5.許可の取得という経過になります。

事前相談

簡易宿所営業の許可を取得するには、旅館業法だけでなく、建築基準法、消防法等の関係法令法令の基準を満たす必要があります。

市町村の建築審査課や、消防署などで事前に相談します。

関係機関への照会・相談

申請を受理した保健所は、市町村の建築審査課、消防署、教育機関、都道府県庁など関係部門に照会を行います。

申請手続き

建物所在地を管轄する保健所の担当部署に申請を行います。

建物の検査

消防署の職員や保健所の職員が、検査を行います。

許可の取得

関係するすべての法令の基準を満たしていると判断されると、保健所より許可がおります。

添付書類

添付書類としては、

1.付近見取り図、2.建物に関する各図面 3.定款の写しや登記事項証明書 です。


民泊の許可を取る際の注意点や難しいポイント

民泊の許可を取る際の注意点や難しいポイントを整理すると、以下のようになります。

 

① 用途地域の規制(建築基準法)

✅ どこでも民泊を営業できるわけではない!

住宅宿泊事業法(民泊新法)では、自治体ごとに条例で営業可能なエリアが決められている。

旅館業法の「簡易宿所」許可を取る場合、用途地域の制限がある。

住居専用地域では営業できないことが多い。

例外的に「特区民泊」の場合、一部認められている地域もある。

▶ 事前に自治体の建築指導課や都市計画課で用途地域を確認する必要がある。

 

② 消防法の対応が厳しい

✅ 消防設備の設置が必要になるケースが多い!

民泊新法の場合:「住宅」としての扱いなので、一定の条件を満たせば消防設備不要のケースもある。

旅館業(簡易宿所)の場合:消防法の規制が厳しく、必ず設備の設置が必要

具体的には、自動火災報知設備・誘導灯・消火器 などの設置が求められる。

物件によっては「スプリンクラー」設置が必要になることもあり、高額なコストがかかる場合も。

▶ 事前に消防署に相談し、必要な設備や改修の有無を確認しておくことが重要。

 

③ 近隣住民とのトラブルリスク

✅ 騒音・ゴミ問題などでトラブルが発生しやすい!

特にマンションでの民泊運営はハードルが高い

管理規約で民泊禁止の場合が多い。

近隣住民から苦情が出ると、営業停止につながるケースも。

戸建てでも注意が必要

騒音問題(深夜の出入り、パーティー)

ゴミの分別ルールを守らない宿泊者

玄関前にスーツケースを長時間放置

▶ 事前に近隣住民へ説明し、理解を得ておくことが重要。

 

④ 営業日数制限(民泊新法)

✅ 年間180日以内の営業しかできない!

民泊新法(住宅宿泊事業法)の場合、年間180日までしか営業できない

旅館業法の「簡易宿所」なら年間営業OKだが、許可のハードルが高い

特区民泊なら180日以上も可能だが、地域による

▶ 長期運営を考えているなら、「簡易宿所」や「特区民泊」の選択肢を検討する必要がある。

 

⑤ 許可申請の手続きが煩雑

✅ 自治体ごとに異なるルールがあり、手続きが複雑!

「民泊新法」は比較的簡単だが、それでもオンライン申請+自治体の審査が必要

「旅館業の簡易宿所」は、複数の許認可(建築・消防・保健所)が絡むため、手続きが長期化する

「特区民泊」は、特定地域でしか許可されず、認定までのハードルが高い

▶ 専門家(行政書士・民泊コンサル)に依頼するとスムーズに進む場合もある。

 

⑥ 運営後の管理が大変

✅ 宿泊者管理、清掃、鍵の受け渡しなど手間がかかる!

無人運営の場合、スマートロックやカメラ設置が必要

清掃・リネン交換の業者手配が必須

外国人対応(翻訳アプリ・多言語マニュアル)が必要

宿泊者名簿の管理義務あり(旅館業法では義務付けられている)

 

▶ 管理代行サービスを利用することで負担を軽減できる。

まとめ:民泊許可の難しいポイントと対策

難しいポイント 解決策

用途地域の制限 事前に自治体の都市計画課で確認

消防設備のコスト 事前に消防署に相談し、必要な設備を確認

近隣住民トラブル 事前説明&ハウスルールの徹底

営業日数の制限 「簡易宿所」や「特区民泊」も検討

申請手続きの煩雑さ 行政書士や専門家に相談

運営管理の負担 代行業者を活用し、スマートロックを導入

民泊を始める前に、これらの点をしっかり押さえて、スムーズな運営を目指しましょう!