外国人雇用において、実は「採用して終わり」ではありません。無事に在留資格を取得して入社した後に、法律で定められた重要な手続きが複数存在します。これらを怠ると、会社側が罰則を受けるリスクもあるため、詳細に解説します。
1. ハローワークへの「外国人雇用状況届出」
すべての事業主には、外国人を雇用した際(および離職した際)に、ハローワークへ届け出ることが法律(労働施策総合推進法)で義務付けられています。
提出期限と方法
期限: 雇い入れた日の属する月の翌月10日まで
方法: 管轄のハローワーク窓口、または「雇用保険被保険者数」の届け出と同時に行います(電子申請も可能です)。
注意点
雇用保険に加入する「一般の従業員」か、アルバイトなどの「雇用保険に入らない人(資格外活動の留学生など)」かによって、使用する様式が異なります。特に在留カード番号の記載漏れがないよう注意してください。
2. 住民登録(住所地)の手続き
海外から呼び寄せた新規入国者の場合、本人が住居を定めてから14日以内に、市区町村役場で住所登録を行う必要があります。
手続き: 本人が在留カードを持参して役場へ行きます。
会社のサポート: 初めて来日した外国人は、役場での手続きに不安を感じるケースが多いです。総務担当者が同行するか、手続きの流れをマニュアル化して渡してあげるとスムーズです。
3. 社会保険・労働保険の加入手続き
日本人従業員と同様、一定の条件を満たせば「健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険」への加入義務が発生します。
ポイント: 外国人にはマイナンバー(個人番号)が付与されます。住民票を作成した後に通知されるため、会社は速やかに本人からマイナンバーを回収し、社会保険の手続きに使用します。
例外(脱退一時金): 短期間日本で働き、将来帰国する予定の外国人に対し、「日本で支払った年金保険料は、帰国後に一定額戻ってくる(脱退一時金制度)」ことを説明しておくと、保険料負担に対する納得感が高まります。
4. 社内での「在留カード管理」と期限確認
雇用後、最も重要な実務が**「在留期限」のマネジメント**です。
在留カードのコピーを保管
表裏両面のコピーを取り、原本と相違ないかを確認します。特に裏面の「資格外活動許可」や「住居地記載」の欄は、不法就労防止のために必ずチェックが必要です。
期限切れ(不法残留)の防止
在留期間の更新手続きは、期限の3ヶ月前から可能です。万が一期限を1日でも過ぎると「オーバーステイ」となり、本人は強制退去、会社は不法就労助長罪に問われる恐れがあります。
対策: スプレッドシートやカレンダー等で全外国人スタッフの期限を一括管理し、半年前から本人へ通知する仕組みを作りましょう。
5. 労働条件の明示と生活指導
言葉の壁や文化の違いによるトラブルを防ぐためのケアも、広義の「雇用後の手続き」と言えます。
労働条件通知書の作成: 賃金、勤務時間、休日などを本人が理解できる言語(または平易な日本語)で交付することが推奨されています。
生活ルール: 日本のゴミ出しルール、騒音、自転車のルールなど、トラブルになりやすいポイントを指導しておくことで、近隣住民との摩擦を防ぎ、定着率を高めることができます。
まとめ:適正な管理が優良企業の証明
雇用後の手続きを正確に行うことは、法令遵守(コンプライアンス)の徹底だけでなく、外国人従業員との信頼関係を築く土台となります。
「手続きの種類が多く、抜け漏れが心配だ」「最新の法改正に対応できているか不安」という経営者様は、一度プロのチェックを受けることをお勧めします。
行政書士真鍋泰法務事務所では、在留資格申請のご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。

